ニッサンのエンジニアはどこへ行く

上層部の経営陣のゴタゴタは今後も続くだろう。
しかし、技術提携は継続する。

知人の日産自動車エンジニアの今月は岡崎の三菱自動車、来月はフランスのルノーへの出張予定に変更はないそうだ。

なにを相談しているのかは分からないけれど、ルノーから日産に提供できる技術はなにかあるのだろうか?

西川氏もゴーンの報酬の虚偽記載に関与していた可能性で、法人としての日産も処罰するとの地検の方針が報道されている。

それにリコールやら不正検査の摘発も相次いでいる。
どうやら地検特捜部やら、どこまで関与しているか分からない関係者(官邸?官僚?)は「痛み分け」を狙っているようだ。

日産の技術;ノートのepower、epowerを人気車種セレナに搭載すること、リーフの電気充電時の走行距離が400kmまで伸びたこと、プロパイロットシステム、リーフに搭載されるプロパイロットシステムは自動車庫入れ、縦列駐車機能などの機能も付いているとTVコマーシャルで言っていた。売りになる技術を日産は抱えている。

そうした技術、また研究開発中の技術をルノーは手放したくはないだろう。

エンジニアは朝ドラの萬平さんのようにR&D(研究開発)に専念しているのだろうけれど、経営陣はその努力をルノーあるいはハゲタカファンドやハゲタカ外資系企業にさらわれるのを良しとするのか?

ニッサンの技術を高めているのはエンジニア、下請け業者の熟練職人だし、ディーラーの地道な販売努力で業績は成り立っている。

CEOやら社長のチョンボな経営の犠牲になるのは、そうした人たちだ。

ゴーンの過酷なリストラの後採用された社員は「どうせ40才過ぎたらリストラされるんだから」と愛社精神は持っていなかった。
ようやく落ち着いたと思ったら、今回のような体たらくだ。

派遣社員は不安定なままだし、ニッサンの技術者が積み上げてきたテクノロジーもろとも波に飲まれるように持って行かれるとしたら、日本全体にとっても大きな損失だ。

いつも犠牲になるのは、労働者だ。
ゴーンが日本に持ち込んだ「会社は経営者と株主のもの」という価値観が日本の企業を蝕んでいる。