上川陽子法務大臣にとっての人命:死刑執行を行わなかった三人の法務大臣

赤坂自民亭の女将をつとめた上川陽子法務大臣は翌日、オウム真理教教祖(元)麻原彰晃を始めとする7人の死刑執行を控えていた。

 

あの笑顔は何なんだ‼

普通の神経の持ち主なら、たとえ無宗教であったとしてもひとり静かに己の立場と人の命を奪うことについて、静かに思いを馳せ、誰にともなく祈りを捧げるのが人の命を左右できる立場なら自然と取ってしまう態度なのではないだろうか?

死刑制度に賛成であろうと反対であろうと。

今までに死刑執行の判を押さなかった法務大臣は3人いる。

戦争中から活躍しており、右派と言われる賀屋興宣(かやおきのり:就任期間1963~1964)

佐藤恵(就任期間1990~1991)

真宗大谷派の住職

杉浦正健(就任期間2005~2006)

真宗大谷派信者

杉浦氏は法務大臣就任の際「私は仏教徒なので、私が法務大臣在職中に死刑執行は行わない」と述べたことは印象に残っている。

 

己の宗教的立場、思想信条から死刑執行を行わなかった法務大臣は責められるべきではない。

日本では、個人の思想信条がないがしろにされすぎだ。

 

新自由主義の台頭以来、人情派の企業の社長はうとまれ、競争原理でリストラや長時間労働を平気で社員に押し付ける人材が高い評価をうけながら、日本の企業の体力能力は低下の一途だ。教育界では生徒を大事にする、昔ながらの教育者ではなく、モリカケのように権力者にすり寄る経営者(教育者ではなく)が重用されるようになった。

 

かつて、「ストレスに強くなるために」という英語の文章を読み始めたが、内容は「リストラを同僚に促しても、気にしない人間になるには」というものだった。

他者への共感が欠如している人たちが世界を蹂躙している。

 

心の暖かい、人の気持ちに寄り添える人になりなさい、と教えられたのは間違えだったらしい。

権力者の気持ちを忖度できる人になりなさい、ということだったのだ。

 

こんな世界が一刻も早く終わることを願っている。