股関節炎症ってどんな病気?

安倍首相が、股関節炎症とのことで広島への支援訪問を取りやめた。

私は先天性股関節脱臼が悪化して、回転骨切り術の手術を受け、リハビリも含めて3ヶ月入院した。
そのことから、股関節症について素人なりに知っていることを述べておきたい。

骨切り回転術とは骨盤の骨を切り取り、大腿骨骨頂を覆っていない部分にずらして固定する。
再度手術をして固定していた釘などを引き抜くのだ。

それまでに骨盤の骨と切り取った自前の骨は癒着しているから。

原因は、かつての三角おむつが股関節の動きを悪くしていたとも言われるし、遺伝的な要因もあるだろう。
男性より女性に圧倒的に多く発症する。

私が回転骨切り術を受けた時は最先端の手術だったが、今ではごくありふれた手術法となっている。
状態が悪化していれば、人工関節に置換する。

股関節には150kgの負荷がかかっており、手術は骨の劣化をくい止める働きしかない。

疲れやすいし、歩行距離も制限があるので健康のためウォーキングも十分はできないし、携帯荷物も5kgに制限させる。

というわけで、股関節炎症が五十肩とか整体で治るものとは考えづらい。変形性股関節症の初期あるいは進行期と考えれば納得がいく。
それでも、筋肉強化や無理な歩行は避けること、杖を使うなどで必ずしも手術が必要なわけではない。

ただ、無理な歩行やハードスケジュールの海外旅行などには細心の注意が必要だ。

つまり、股関節炎症とは、あくまで骨の劣化であり、筋肉疲労ではない。
私のように、先天性でなく、年齢と共に骨の劣化によって変形性股関節症が起きる場合も多い。骨盤と大腿骨骨頂がこすれたりして、骨が次第にスカスカになってゆくのだ。

安倍首相の状態が深刻でないことを願ってはいるが、マッサージで治るものとは訳が違うのではないか、というのが実際に(先天性)変形性股関節症を患った者の感想である。
ハードスケジュールで炎症が起きることは十分考えられる。

整形外科医ではないので、私の話に不正確なところがあれば専門家に訂正してもらいたい。

新生児のお母さん方は赤ちゃんの股関節の動き、開きが正常であるかを乳児検診でしっかり調べて欲しい。
それから、股関節に負担がかからないような股おむつ、紙おむつがお薦めだろう。

早く見つかれば、バンド固定などの方法で矯正できる。

私の場合、母が助産師ではなく、最近と言っても大昔、赤十字病院をやめて開業した産婦人科に受診し産気づいてからリヤカーで行ったそうだ。
ところが、私は仮死出産のうえ、数日してから新生児メレナを発症し、股関節の検診どころではなかったのだろう。
産婦人科医でなければ、お亡くなりだったかもしれない。

それでも、スポーツはさすがに苦手だったけれど、特に器械体操、支障なく過ごし、子供も2人出産し、50才までフルタイムで働いてきた。

今でも定期検診はしていて、年相応に骨の劣化はあっても、この程度なら問題ないでしょう、と毎回言われている。
悪化したら、某大学病院から月1回来ている先生が人工関節の手術をしてくれるそうだ。

安倍首相の状態は専門医の指示に従い、必要な情報は国民に知らせる義務があるだろう。

同病相憐れむというわけで、適切な処置が行われることを切に願っている。