立憲民主党の勝利と市民運動

自公の勝利といっても、小選挙区制によるものであり、3割の得票で6割の議席を得た。

この愚かしい選挙制度は一刻も早く終わらせなければならない。

野党の側では、希望の党が絶望の党に変わったことはさておき、選挙戦の後半まで立憲民主党の勝利は予想できないものだった。

 

中道左派の支持を集めたといえ、共産党が67の選挙区で候補者を取り下げたこと、して市民連合の全面的応援がなければ、これだけ票を伸ばせただろうか?

 

今回の選挙を振り返るために、昨年の東京都知事選挙の候補者を下ろされた宇都宮健児が候補者を下ろされた経緯を詳しく見てみた。

「日本の市民運動はもっと賢くならないといけない」という言葉を残して、今も貧困問題等と闘っている。

私は、日本のバーニーサンダースみたいだと思って応援していたけれど、あれよ、あれよという間に鳥越俊太郎が候補者となり、過去のスキャンダルで潰れていった。

そして、華々しく登場したのが、小池百合子都知事であり、今回の選挙でその野望は一巻の終わりとなった。

 

宇都宮健児が候補者から下ろされた経緯を知って涙が出てきた。

宇都宮健児では勝てない」という声に一般人からのメール、電話のほかに民進党、共産党からも「候補者を下りろ」という汚い声を浴びせられたそうだ。

 

今回の選挙戦をみていると、どこへ向かうかも分からない立憲民主党と枝野を英雄にし、ロゴマーク、ツイート、演説の仕方などHow toを伝授したのは、戦争法制反対から学んできた市民運動の一部の人たちだろう。

 

そして、彼らから見放された共産党は沈んでしまった。

 

地域組織もなく、どこへ向かうのかも不明な立憲民主党の今回の勝利が、真に国民のためであれば良いが、野党と市民の共闘を裏切って元の民進党の結集に終わるとしたら、バブルによる勝利に過ぎない。

 

宇都宮健児が「日本の市民運動はもっと賢くならなくてはならない」と言ったように、『面白そうなところ、勝てそうなところに肩入れする』で終わってしまっては、意味がない。

 

どういう方向に党を形成するか?まで監視しなければ無責任だ。

 

もう一度「日本の市民運動はもっと賢くならなくてはならない」と言った宇都宮健児の言葉を噛みしめたい。

彼は、都知事選挙のため何年も準備していたのだから。